オステオパシーについて~テクニック編12「SAT(スペシフィックアジャストメントテクニック」


台風が接近し、皆様不安な一夜を過ごされたと思いますが大丈夫でしたでしょうか?僕に関して言えば、取り急ぎなんとか何事もなく過ごす事が出来ました。

 今回は久しぶりに、オステオパシーテクニックのご紹介です。(このシリーズもあとわずか!)

 

このテクニックは分類的には直説法で、以前ご紹介しましたHVLAと被ります。

ただテクニックを使うまでの方法論(検査法)が独自に確立されているのと、頸椎へのアプローチをうつ伏せで行うところが少し異なります。

 背景を簡単にご説明しますと、1950年代パーネルブラッドベリーDOは多くの患者さんを診るのに時間が足りない位忙しく施術をされていました。

そのブラッドベリーDOの弟子がヨーロッパオステオパシー会で著名なトム・ダマーDOで、ダマーDOは施術時間を短く出来るよう学んだ事をよりシンプルな形に発展させていきました。

そして現在、イギリスのジャズラムDOがその哲学、技術を引き継ぎ、更に発展させておられます。

 考え方としては、スティル先生から学んだオステオパシーを初めてヨーロッパに持ち込んだと言われるリトルジョン先生の脊柱カーブに対する考え方などを応用し、独自の検査方法を積み重ねていく中で、最も問題となる脊椎にワンアジャストメント(いわゆるポキッというテクニック)を施し、あとは暫く休んで貰うという流れです。

 つまりアプローチは脊柱に対するアプローチを主にして、検査からテクニックまで、実質10分~15分で終了です。

シンプルイズベスト、という言葉がぴったりなテクニックで、それでいて効果は身体全体に波及します。

また上記のような忙しい施術現場においては現実的にももってこいのテクニックです。

 僕が受講したジャズラムDOは日々この施術を繰り返すことによって患者さんへの触診、身体の使い方が流れるように美しく感じられました。

それと、現在のオステオパシーの考え方も取り入れ、具体的には頭蓋分野のエネルギーワーク的な感覚も用いて検査結果を導き出せるように工夫されており、これもまた今振り返ってみてもとても興味深い内容だと思えます。

 いずれにしても、シンプルなもの程追及すると奥深く、美しいという事の典型的な考え方、テクニックであるように思えました。

 

※湊は日本オステオパシープロフェッショナル協会の日本人講師による国内セミナー「SATベーシック」とジャズラムDOによる国際セミナー「SATアドバンス」を受講、修了しております。