セミナー報告〜もう一つの診断法

 梅雨も明け毎日蒸し暑い日々が続きますが体調はいかがでしょうか?
 僕は7月17日〜19日の三日間神戸での国際セミナー「もう一つの身体の診かたと応用」に参加して来ました。ドクターはアメリカのポール・リーD.Oでした。
 日々施術を行う中で最も大事なのは身体の評価です。テクニックではありません。つまりいくら良い道具(テクニック)を持っていても実際に症状を引き起こしている場所(ほとんどのケースで痛みが出ている場所ではない)がわからなければ、良い結果は得られません。そうした構造的な身体の評価方法については今までも様々な方法を学び臨床で用いて来ました。一つの例でいうと来院された方の中には、僕が頭に手を置くだけで下腹部あたりの緊張があると指摘してそこに手技を施すだけで、例えば肩の可動域や痛みに大きな変化が現れるのを体験されたと思います。
ただし、残念な事に今や症状の原因も多岐にわたり、構造だけへのアプローチでは完全に症状を消失させるのが難しい世の中になってきました。
 身体の中でも単なる構造以上の自律神経系、免疫系、内分泌系…や、構造以外のもの例えば化学物質を含んだ黄砂、電磁波、身の回りの様々な物質、ストレスや複雑な感情(エモーション)、過去の事故やトラウマからくるショック…こうしたものも身体に大きな悪影響を与え、痛みや精神的と考えられている症状の原因となっている場合があります。
 では、最初にお話ししたようにどのようにこうしたものが原因ではないか…と評価するのか?というのが今回の大きなテーマでした。今までもその他の手法でこうした原因を推測は出来ていたのですが今回、より分かり易く客観的な方法が加わったことで、身体の評価についてより深く、確かな確信をもてるようになる助けとなるのではないかと思います。
 内容的には人間には普段よく知られる肺呼吸の他に、オステオパシーで第一次呼吸と呼ばれる身体固有の動きがあるのですがそれらの重要性、また内容的にエネルギーや東洋医学の考え方も含まれていました。
興味深いのはアメリカのD.O(何度かお話ししたようにアメリカのD.Oはいわゆる日本の医師と同等の資格を持っています)がそうした話をされた事です。つまり現代科学的な検査(レントゲンや血液検査)を行えるドクターがそうした検査のデメリットや足りない点を補い、こうした検査法で日々臨床をおこなっている点です。日本の病院で医師が通常の検査以外のこうした検査法やましてや手技を使って患者さんに対応しているのはまだまだ珍しいのでないでしょうか?まあだからこそ僕のような立場の人間が存在できるのですが…。
 いずれにしても、僕にしてみればいやはや、知らなくてはいけない事が多すぎる(~_~;)それだけに興味深い人間の身体を、これからも掘り下げていきたいなと思います。