先日のどかに80代の半ばを迎えられる女性が来院されました。月に一回くらいかれこれ3年くらいになりますかお通い頂き、姿勢もお綺麗でいつもとてもおしゃれにしておられます。
毎日たくさんの方々のお身体を拝見していて思うのは、現在の若い人は体格は良くなっていても、いわゆるご年配と呼ばれる世代の方々の方が本来持っている基礎的体力があるように感じる事があります。
施術をしていると色々お話下さるのですが、車をそれ程利用できない時代、少々の距離は歩いて生活され、背中に子供さんを背負ったまま手でごしごしと洗濯をしてこられました。食事も戦後の食糧不足などで粗食で乗り切ってこられました。
現代のお子さんは動物性たんぱく質の摂取が増え、様々な添加物が加えられた食事、電磁波にPMなどの環境汚染因子、僕が子供の時代でさえ周りに花粉症やアレルギーを訴える子供はあまりいなかったように記憶しています。
そして何よりメンタル面。ちょうど最初にご紹介したご婦人との施術中に新型コロナウイルスや昨今の災害の多さの話になりました。
その方曰く、「最近は災害が増えたといっても私は戦争直後にものすごい台風が来たのを経験したし(おそらく枕崎台風)、結核その他さまざまな疫病もあった。そして何より戦争を体験するとそれ以上にしんどいと思う事はないですよ」
と言われて、市街地から見えた原爆のきのこ雲のお話や、大やけどで亡くなった知人のお話をして下さいました。
今年の長雨や毎年の猛暑などの異常気象、そして新型コロナウイルスと心身ともに確かに疲弊してしまいます。気を付けるべきは注意をして体調管理に努めつつも、このご婦人がおっしゃるようにもっとつらい状況はあったんだなと、今一度冷静に気持ちを新たにするきっかけとなりました。