HVLAセミナー報告

 今日はゴールデンウィークの5月3日〜6日神戸で開催された国際セミナー、マイケル・L・クチェラD.O(ドクターオブオステオパシックメディスン)のHVLA(キンバリー・テクニック)のレポートです。
 その前に患者様から「良くセミナーに参加されてるけどんな事するのですか?」というご質問を受けるので今日はそんな事も踏まえてお書きしたいと思います。
 まず、僕は今「日本オステオパシープロフェッショナル協会(JOPA)」という団体に所属しております。日本には数団体オステオパシーの団体があり、その他の団体は東京近郊の本部が多いのですがJOPAの本部は神戸で、会員数は日本で一番多いです。
 僕はこちらの主催セミナーに基本的に参加させて頂く訳ですが、大きく分けて1日〜3日開催の国内セミナーと3〜5日開催の国際セミナーに分かれます。国内セミナーは会の会長をはじめ、訓練された団体の日本人講師の方が神戸本部のセミナールームを中心に日本国内様々な場所でオステオパシー普及の為にセミナーを教授下さいます。また国際セミナーはオステオパシーの生まれの地アメリカをはじめとして世界各地の有名なドクターを会が日本に招いて下さり、その貴重な内容を教授下さいます。開催は神戸が主です。日本ではオステオパシーに対して国として明確な国家資格としての基準はありませんが、諸外国はその基準が厳しく、特にアメリカとロシアにおいてはオステオパシードクターは医師資格を所有し手術や投薬の権利ももちろん持ちます。
 次にセミナーの内容ですがこちらも大きく分けて二つに分けるとテーマ別とテクニック別に分けれられます。テーマ別とは小児に対してのアプローチとか、妊産婦に対するオステオパシー、呼吸器系に対するオステオパシーなどテーマに区切って講義があります。テクニック別というのは「ストレインカウンターストレイン」、「靭帯性関節ストレイン」など数あるオステオパシーのテクニックについて教授されます。施術者は良いテクニックをいくら多く持っていてもそれをどのような時にどのように用いるかという方法論がないと十分に活かせないので、テーマ別、テクニック別のセミナーを、自分の判断で受講していきます。セミナーは強制的な受講義務はありませんが、逆にあるセミナーに参加するためにはテストに合格していないとダメなど基準がある場合もあります。
 セミナーには全国から優秀な先生方が参加されており二人でペアを組みます。授業の進め方は内容や講師の方によりますが、基本理論的な座学→実技練習という形で時間内に繰り返し行われます。大人たちが時に裸になって汗を流しながら練習する様は我ながら心地よさすら感じますし、様々な先生からアドバイスを頂いたりすると日々の仕事上の迷いの解消という意味でも非常に良い刺激になります。
 さて、今回行われたHVLA(キンバリー・テクニック)というセミナーは、上の二つのどちらかに当てはめると名前の通りテクニック別に分類されます。
 さて、そのHVLAとはいわゆる「ポキッ」という矯正音のする場合のあるスラストとかアジャストメントとか言われる技術ですが、キンバリー理論によると関節構造や生体力学に忠実に基本的な動作で行い、またオステオパシーでは軟部組織に対する準備も十分にあるので、危険性なく、軽くかつ効果的なテクニックである事が十分に理解できましたし、講師のクチェラDOは十分な技術と経験をお持ちなので非常に貴重な経験をさせて頂けました。ソフト整体のどかでも今までHVLAを一部取り入れて来ましたが、今回系統だてて学べた事で今までよりは積極的に臨床にも取り入れていこうと思っています。
 今まで、多くのセミナーを受講して来ました。内臓のバラルDO、メカニカルリンクのショフールDO、コンラッドスピースDOやレンゾーモリナリDOにフィリップデュレルDO…テーマ別、テクニック別いずれでも創始者、その分野のトップクラスの講師の方に教授頂けたのは大きな財産になっています。また世界で教授されるオステオパシーの巨匠たちは皆様おおらかで人柄的にもとても魅力的な方々ばかりです。
 先ほど書いたようにセミナー受講に強制的な参加義務はないのですが上記のとおり海外ではオステオパシーを施すには非常に高い知識、技術レベルが要求されますし、何より学ぶ事において、ましてや人間の身体において「これでもう良い…」という事はないと思います。僕も技術的にも人間的にもより大きくなり、これからも「正しい事をより高いレベルで」皆様により良いものをご提供できるように頑張っていきたいなと思っています。