「正しい事」とは?・・・2

朝晩は肌寒ささへ感じるようになって参りましたが風邪などひかれていないでしょうか?少々間が空きましたが前回の続きです。
のどかで基本的な考え方にしている「正しい事」とはいったいどういう事でしょうか?今日はもう二つの例を基にお伝えしてみます。
まずはこういった世界でよく言われる「骨盤矯正」についてです。身体の診かたについて述べたらとても足りないのですがその中でも骨盤の持つ重要性は確かに疑う余地の無い所です。しかしながらこの世界で本当に骨盤が正しく診れて正しく矯正できる治療家がどれだけいるでしょうか?個人的にはそうそうはいないと思います。少なくとも広島県・・・、中国地方・・・、ほとんどいないと思います。骨盤というのは大きくいうと左右に広がった腸骨とおしりの固い部分の仙骨で構成されるのですが、よく見かけるのはそのうち腸骨の方が開いただの閉じただの言っているのがほとんど。しかしながら、実際の臨床では仙骨の問題の方が圧倒的に多く、しかしながらこの仙骨を正しく診れて正しく矯正出来る人はそうはいないと思います。
僕は実際この仙骨についての講義を受けましたがこの1枚の骨についてのみ、丸々3日朝から晩まで缶詰で学びました。その病理、検査法、矯正法は膨大な量でした。まず、その内容を知っている人自体そうはいないと思いますし、それを知らずにどうして骨盤について語れるのか不思議でなりません。僕とてその3日間はあくまで学んだだけです。実際の臨床でそれらを活かしきるのは更に高度な話です。この1枚の骨を診断するのにどれだけ頭と感覚を悩ませているか・・・。100人の人がいれば100通りの体があります。「骨盤矯正」をうたい、1000円程度の本になっていてそれについている付録のベルトを巻くと痩せられる・・・そんな話が万人に通用するはずがそもそもないのです。
次に「小顔矯正」。頭蓋骨が動いていると世界で初めて提唱し、認められたのは他でもないオステオパシーのドクターです。それまでは頭蓋骨も顔面の骨も動かないと考えられていました。僕は最初のころのセミナーで頭に手を当て、足首をひねってみたり目を動かしてみたりする事によって頭蓋骨が瞬時に動くのを感じるように練習しました。これは何を意味するのでしょうか?つまり頭蓋骨は全身のあらゆる部位と密接に関係しているのです。つまり頭蓋骨に強制的な力を加えると全身のあらゆるところにその影響が出てしまいますし、逆に全身のどこかに強い問題があると頭蓋骨にもその影響が及ぶという事です。ここで小顔矯正について考えてみましょう。そんな事をしたら体のどこかに不具合が生じてしまうかもしれませんし、そもそも頭蓋骨そのものの可動性が失われて吐き気やめまいなどを感じてしまう事さへあります。また、身体のどこか、例えば内臓に強い癒着があって頭蓋骨に問題が出ていたとしたら、頭蓋骨を先に矯正したところで内臓の問題が解決していなければそれはすぐに元に戻ってしまうでしょう。というよりその前に複雑な解剖学や触診の力を要する頭蓋骨を正しく矯正できるとすら思いません。
僕は自分自身まだまだ優秀な治療家であるとは全然思いませんし、この2回のブログで述べたのはほんの一例で、本当の意味で正しく身体を診るというのは大変難しいです。僕自身自分の不出来を痛感する毎日です。のどかではいくら流行るとかお金になるとか言われてもそういう事ではなく、本当の意味で正しい体の診かたと技術を学んでそれをより高いレベルで皆様にご提供出来たらと思っています。
どこまでお役にたてるのかはわかりませんが、少しでも良い出会いとなりますようこれからも頑張っていきたいと思っています。