今日は一度書いておきたかったテーマです。今週末の倉敷店ではごたごたした事があり今日はなかなか寂しい気分でしたが、そんな中とてもタイムリーな内容となってしまいました。しかしあくまでテーマとしては以前から考えていたテーマです。
ソフト整体のどかも倉敷、呉、広島と３店舗になり扱うメニューやスタッフの人数も拡大し少しずつ基盤が整ってきました。そんな中最近セミナーの折などに色々な施術家の先生方とお話してると「多角化経営ですねえ！」「経営上手ですねえ！！」などある時は賞賛下さり、ある時は「それ皮肉？」という具合に声を頂きます。
僕個人としてはっきり一度申し上げておきますと、少なくともお金儲けの為にいたずらに店舗を増やしていってやろう・・・などという気は毛頭ありません。きれい事のように聞こえるかもしれませんがそんな目的でしてもうまくいかない事が色々現状を見るに理解出来てるからです。
複数店舗になった経緯を簡単にご説明しておきますと大学卒業以来岡山での生活が長くなっておりましたし、整体業界の勉強を始めたのも岡山が最初です。なので自分自身の安心感ややりやすさからまず倉敷で開業を致しました。しかし家族の入院などもあり考えた末に実家の広島県呉市に戻った訳です。そこで倉敷と呉で行ったり来たりという生活が始まりました。
その中で自分自身の生活環境も変わっていきます。のどか呉店とはいってもあくまで自宅です。しかも環境的には体の症状を抱えられた患者様が通われるには恵まれた環境とはいえません。僕自身も自宅で一日仕事をするというのは性に合いませんし、やはり仕事の為に外に出るというスタイルを作りたかった訳です。そこで車でも１時間以内に行き来出来て時間の予想がつく、そして穏やか且つ活気のありそうな海田町にアパートでしかもマンションの５階ではありますが海田店を始めた訳です。
そして現状、少しずつですが軌道に乗ってきました。相変わらず行ったり来たりですが皆様に心配して頂くほど苦痛には思いませんし、それぞれの店舗の特徴もあり、様々なタイプの患者様と接する事が出来る事でとても楽しく、また勉強させて頂いている訳です。
ある時、治療結果を非常に自慢なさる傾向のある施術家の先生に言われた事があります。「二兎追うものは一兎も得ず」と。そしてこうもおっしゃいました。「経営者としては向いているのかも知れないけど人を治す力は育たんよ。」と。この業界の方とお話しているとサラリーマン上がりの僕からすれば信じられないような人がいます。つまり高校を出て以来ずっと「先生」と呼ばれ成功すれば早くしてトップです。技術と知識を鼻にかけて「何でも治す」といきまいています。確かにすごいのかもしれないけどそれまでです。なんの魅力も感じさせない人がたくさんいます。しかし、どんな世界でもそうでしょうけど上には上がいるものです。
少し脱線しましたが、もう一度はっきりさせておくと僕がやりたいのは金儲けの為の店舗をいたずらに増やす事ではありません。大学で経済や経営を勉強したりサラリーマン時代店舗運営を経験して店舗運営や組織運営に興味をもった事はありますが、少なくともこの業界の中では興味なくなりました。
僕がやりたいのは「人や世の中の為に良い仕事をする」という事だけです。この仕事はとても正直だと思います。患者さまと向き合って自分が十分な敬意を払って仕事出来てなければそれは伝わります。リピートはしてくれません。施術結果が納得して頂けなくてもそうです。色々な肉を混ぜて「牛肉」と言っても売れる、おちた果物を乗せたケーキを並べても売れる、賞味期限切れたお菓子でも売れるのとは違うのです。
その為には少なくとも３０代の内に、あと数年を目標に納得出来うる高い施術レベルに限りなく近づけていく事と人間性を高めるべく経験を積んでいく事が大切だと思っています。それが出来れば４０代以降、もっともっと質の良い仕事が出来そうな気がします。それはたとえアパートの一室でも構わないのです。
そしてその仕事を世の中に理解して貰えれば自然と人が集まると思います。そして現状倉敷店が少しずつ実践してくれているような気がします。力ない僕などでも頼りにして下さる患者様はいらっしゃるし、僕の知らない世界を教えてくれ色々なメニューを考えて下さるスタッフの方もいます。
誤解がないようにお伝えしておくと経営者としてのセンスは必要ないといっているのではありません。すごく必要です。ただ金儲けが先にたつと少なくともこの業界では駄目なんだろうなと感じるという事です。
僕には経営者としての本当の素質はないような気がしますねえ。厳しさに徹しきれないような気がします。でもよいです。馬鹿正直にやっていきます。
