本当の技術

今日はのどか呉店より。最近は毎日携帯電話が手放せない状況です。呉にいる時に呉のお客様の予約を自分の携帯(家にかかってきた電話は全て携帯に転送されます)でとるのは当然ですが、倉敷のお客様用の携帯電話も僕が管理して予約をお取りしています。そしてそれをのどか倉敷店に入っているスタッフに知らせるという段取りなのですが、本当に今の時代携帯電話がないと仕事すら成立しない時代です。便利だし、だからこそこうして僕も仕事をさせて頂いているのですが、忙しい現代人を象徴するような道具であることは間違いないようです。
さて、先日車屋さんに行きました。この車屋さん、ずっと前にもお書きした事があるのですが、事ある毎にお世話になっております。
最近入った駐車場がお店のものでないと知り、急いでバックをしようとした所情けないことに木の出っ張りに気づかずそのままグシャリしてしまいました。といってもテールランプが割れただけだったので、すぐ様この車屋さんに電話をし、ランプを仕入れてもらい倉敷に行った時訪れるように告げました。
そしてこの日。ランプを変えたらすぐ帰れると思いきや、ランプを止めている金具が曲がっているらしく、ランプがぐらつきます。全てをきっちり直すと塗装までし直さないといけないらしく数万円はかかるとの事。トホッ。途方に暮れていると板金一筋のIさん。以前ディーラーだと35万かかるといわれたへっこみを4万円位で直して頂きました。そしてこの日もいつもの岡山弁で「ランプ位でそんなかかりゃしんどいわの・・。わしゃ商売下手じゃけやれるだけやってみるわー。代車だすけ是乗って帰っときねえ。出来たら電話するけー。うもういかんかったらすまんがのうー。」との事。
後はIさんに下駄を預け仕事に集中した後代車で車屋さんへ。なんとか大きな板金をせずにランプをしっかり止めていて下さったのです。
「最近の若いのはすぐに切った張ったして新しい部品を付けるじゃろう。じゃけ技術が上がらんのんじゃ。機械はええのがあるしのう。わしらは機械がない時代から工夫して腕を使って直してきたからどうしてええかわかるんじゃ。その技術があれば部品変えんでも直るんよう。こうなるには時間がかかるがのう・・・。じゃからわしらみたいなのを定年させたらえらい事になるでえ。」
このIさん今年いっぱいで定年を迎えるとの事ですがその後も残れるのかどうか未定との事。しかし商売っ気を出さずに一番安くて良い方法を提供して下さるのでIさんについてるお客さんがたくさんいるようです。
団塊の世代問題で、本当の技術を持った方が一斉に止めてしまう事によって困る業種が随分あると聞きます。携帯電話にしてもそうですが新しい物が沢山揃い本当に便利な世の中になりました。整体の分野にしても色々な便利な道具で痛みを軽くしたりする事も出来るのかもしれませんが、腕だけで試行錯誤した技術というのが本当の技術なのでしょうね。