オステオパシーについて~テクニック編10「メカニカルリンク」

 またまた久しぶりの投稿となります。

 確定申告も提出し、野球のない冬の間をドラマを観たりしながら堪え忍んでおりました。そして暖かくなってきて庭のさくらんぼも花を咲かせてくれ、まもなく野球も始まるし心はずむ季節です。そんな訳で大きなイベントなく耐えていましたので書く事もなく、久しぶりに今年もオステオパシーについて書いていきます。

 オステオパシーテクニックについて、今回は「メカニカルリンク」について書きます。これはテクニックというより一つの方法論となります。

今までオステオパシーは身体の様々な組織を包括的に考察し、アプローチすると書いてきました。ただそこには、では「どの組織から施術を始めて、どうなったら施術を終えるのか」という問題があります。その問題に対しては各施術家の考え方や経験、身体の評価方法によって変わってきますし、正にそれによって結果も大きく変わってくると思います。メカニカルリンクはそこをシステマティックに論理立てて構築し、どの施術家でもそれに従って施術をすれば先程の問題に対処出来ます。

 創始者はフランスのポールショフールDOで、共同研究者のエリックプラットDOと二人で主に構築されました。

 方法は、まず身体を「脊柱・骨盤、胸郭、四肢、骨内力線、内臓、心臓血管系、頭蓋骨、神経系・真皮」 の8つのユニットに分けてそれぞれのユニットで決められた組織に対するテストを行います。このテストを8つのユニット全てで行い、問題があると出た組織同士を更に同時にテストするとより大きな問題の組織が残っていきます。これを抑制バランスといいます。つまり身体全体の組織の問題の中でより大きな問題、つまり問題の「一番の親分」を探し出す訳です。そしてその問題の親分に対して「リコイル」と呼ばれるテクニックを用いて問題をリリースします。

このリコイルは直接法ですがとてもソフトでありながらパワフル、最後に残った問題に対してアプローチするので他の問題もリリースされていきます。

少々テストが多いのがデメリットですが、僕も実際の臨床で、血管や神経に頭蓋、また骨内力線や骨内病変といったメカニカルリンク特有の検査によって、様々な症状を改善するのに助けられました。

 またメカニカルリンクは常にアップデートされており、僕が受講した10数年前より更に世界中に広がり施されているようです。いつかまた進化し続けるメカニカルリンクを再受講してみたいなと思っています。

 

※湊は創始者ポールショフールDO、エリックプラットDOのメカニカルリンクの全ユニット(全5回)セミナーを全て受講、修了しております。

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最近のあれこれ

 

 久しぶりのブログとなってしまいました。

今年も新年から非常に有り難いことに、多くの方にお通い頂き、ご予約枠も取りにくくなっておりお詫び申し上げます。

 一方、僕自身は施術に集中する為の健康維持もそれだけ大変になってきております。適度に休憩をはさみながら施術を続けておりますが、今はそれにやや忙殺されて一日が過ぎていくようになってしまっています。

 

僕も50歳が近くなってきました。この業界に入って約20年。あっという間でした。しかし、そのあっという間をもう一度迎えると70歳になってしまいます。最初の6年間は定休日なし、残りの現在までは週一月曜日のみのお休みでやっており、その休みも施術以外の帳簿やサイト運営などで時間を取られます。

 

 そこで現在の週一の休みをたまに連休にしたり、半日おもいっきり休みにさせて頂き、トレーニングレベルで運動して末永く仕事が出来るように体調管理していきたい焦りもあります。

 

 

 また体力的な事だけでなく、腰を据えて勉強をする時間ももっと欲しいとも思います。読めていない有名な本もまだありますし、勉強してきたオステオパシーをもっと腰をすえて掘り下げていきたいと思っています。

自分の今後に合わせて、どういう形の店舗運営がよいか少々試行錯誤しております。

 

 

 とはいえ、適度に気分転換もしておりまして、朝ドラのるいちゃん、ひなたちゃんのほんわかさした雰囲気に癒され、カーリング女子のプレッシャーをはねのける明るさも凄いなあと思います。

野球も開幕まで1か月少々になってきました。

 

 

 

冬はただでさえ寒さで気分もあがりにくい中で相変わらずのコロナによる閉塞感です。

 

最近は学校にいきにくくなっているお子様のご相談も増えています。

 

皆様、自分なりの気分転換を見つけて頂き、身体も適度に動かして、春を待ちましょう❗️

謹賀新年

 新年明けましておめでとうございます。皆様良い年末年始を過ごされましたでしょうか?(喪中の方は失礼致します)

 僕は親戚のご挨拶などしつつ、自宅でゆっくりする事も出来ました。

 今年も自分自身健康に気を付けつつ、一年間皆様の健康づくりのお手伝いが出来ますように頑張りたいと思いますので、今年もまた「整体のどか」を宜しくお願い致します<m(__)m>

 

年末年始の定休日お知らせ

 昨日より強い寒波にみまわれ、寒さも一段と厳しくなってきました。

そんな中あっという間に年末を迎え、のどかの今年の営業も残り3日を残すのみとなりました。

念のため、年末年始の定休日についてお知らせしておきますと、

 

12月31日~1月3日

 

までお休みを頂き、新年は4日火曜日から営業を開始致します。

今年も多くの方にのどかをご利用頂き、ありがとうございました。

今年はコロナ禍にも関わらず、年間過去最高人数の方に来院頂けました。(セミナー参加の為の不在が少なかったという理由もあると思いますが)

僕自身もコロナ禍なりにやれる事を考え、色々目標を達成できた事も多かったですが、それより何より、毎年書くことですが、体調を崩すことなく健康に過ごせて、仕事を休むことなく完走出来そうな事が何より良かったです。

 

50歳も近くなってきましたが、益々健康以上に有難いもの、望むべきものはないと思っています。

来年も僕自身健康に気を付けて、皆様の健康づくりのお役に立てますよう頑張りますので、皆様も風邪などひかれませんよう、良い年末年始をお過ごし下さいませ(^^)

 

 

 

 

 

 

オステオパシーについて~テクニック編9「内臓マニピュレーション」

今回のオステオパシーテクニックは、内臓マニピュレーションについてお書きします。
歴史的な事もさらりと書いておきますと、創始者スティル先生も内臓へのアプローチを行っていたという記述は残っているそうなのですが、以前お書きしたようにスティル先生はテクニックについては後世に残されなかったのでどのような事を行っておられたのかはわかっておりません。

そんな中、現在もご存命のジャンピエールバラルというフランスのドクターが、一から再度内臓へのアプローチを開発され、現在では世界中で内臓へのテクニックが教えられ発展されています。
「内臓へのアプローチって?」と思われるのも無理はありません。これは厳密に言うと、内臓そのものへのアプローチというよりは、内臓を包む「膜組織」へのアプローチという方が正しいかもしれません。
以前、「身体は繋がっている」シリーズでお書きしたように、身体は筋肉や骨、内臓や神経、血管…その他全ての身体の組織が膜組織で繋がり固定されているために、例えば走っても胃や肝臓がぶらぶらせずに済むわけです。
しかし、この膜組織がバランスの崩れや、疾患(肺炎、肝炎その他…)や生活習慣によって緊張、変性をして固着や癒着を起こしてしまうと、他の組織を引っ張って障害や問題を起こしてしまったり、例えば肝臓を包む膜組織が緊張を起こすと肝臓そのものの働きも落ちてしまうかもしれません。
そこで、オステオパシーのソフトな技術でこれら内臓を包む膜組織を緩めてあげて、組織の緊張状態を取り、身体のバランスを改善させ、ひいては臓器の働きも向上させてあげましょう、という目的で行われます。
原理で言えば、直説法、間接法ともにありますが、当然内臓にかかわる組織にアプローチしますからとてもソフトに行われます。
もちろん、胸郭(肺や気管支、心臓など)や腹腔臓器(胃や肝臓、十二指腸や子宮、大腸…)ともにあらゆる臓器組織へのアプローチがあります。
正し、毎回リンク貼付します注意事項にもありますように、あくまで内臓を包む膜を緩めで組織の緊張を取る事が目的なので、結果的に臓器の働きがよくなることはありうるかもしれませんが、決して疾患を治すとかそういう目的、意味でのアプローチではない事は念の為書き添えておきます。

※湊はジャンピエールバラルDOの内臓マニピュレーションセミナー、JOPA(日本オステオパシープロフェッショナル協会)の腹腔内臓・胸郭セミナーのそれぞれベーシック、アドバンスを受講、修了しております。

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オステオパシーについて~テクニック編8「LAST(リガメンタス・アーティキュラー・ストレイン・テクニック)」

 

 少々久しぶりになりましたが、テクニックのご紹介を加速したいと思っています。

 今回のオステオパシーテクニックはLAST(リガメンタス・アーティキュラー・ストレイン・テクニック)についてお書きします。

 これはアメリカのオステオパシー会の巨星、ローリンベッカーDOやロバートフルフォードDOなどをメンバーとして構成されたダラスオステオパシー研究会が、創始者アンドリューテイラースティル先生や、その弟子ウィリアムガーナーサザーランド先生などが用いていたとされる頭蓋から全身へのテクニックを研究し、発展させたものです。

といってもオステオパシーの歴史をご存じない方にはピンとこないと思いますが、簡単に言えば、靭帯、筋膜、関節などに関して、古くから使われていたであろうテクニックを再度掘り起こして研究し、今なお先の研究会によって発展させていっているテクニックです。

具体的には組織を「自由化」「誇張」「バランス」という三つの原則を元に組織を位置、柔軟性を取り戻し、体液の流れを促進出来るように回復させるものです。

原理で言えば、間接法も直接法もありえるテクニックです。

 ちょっとわかりにくくなってしまいましたが、ごく簡単にご説明すると、どのような世界でも温故知新というのはあって、やはり昔の不便な状況の中で優秀な先生方が苦労して編み出されたであろうテクニックというのは、合理的で理にかなっている部分が多く、それらを様々な文献を元に掘り起こし再現させながら、改良を加えるものは加えていく、そうしたテクニックであり当然のごとくその効果は絶大です。

また、自由化、誇張という位なので、矯正音などを伴うことなく、非常にソフトかつ、施術を受けれられた際の体感もあり、個人的にはとてもよく使っているテクニックです。

(同じ趣旨で古いテクニックを掘り起こしつつ使われた地域で呼称が異なるBLT(バランストリガメンタステンション)というものもあります)

 

※湊は日本人講師によるベーシックコースと、ダラスオステオパシー研究会会長コンラッドスピースDO(書籍LASTの著者)によるアドバンスコースを共に受講、修了しております。

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科学的?非科学的?

 11月にしては比較的暖かく感じますが今週から温度が下がってくるようです。

 ここ最近ふと頭に浮かんだ方から連絡がある、という事があまりに多く自分でもさすがに「何か特別な能力でもあるのか?」と勘違いしそうになります。(実際には普段そんな能力が自分に備わっているとは思っていません。)

 今までも書いたことはありますが、何気なくふとある患者さんのお名前やお顔が頭に浮かぶことがあります。するとほどなくその方からご予約なりの連絡が入るという事です。これは今までもありました。しかし、最近半端なく多い!毎月来られるような方であれば偶然で済ませられますが、引っ越しをされた患者さんから近況が入ったり、引っ越して1年近く経つ方がが広島へ来られる事がありその際に寄らせて欲しいという連絡が入ったり…。

 この仕事をしていると、初診の方で「オステオパシーって怪しげなものではないか?」と感じているのかな、と感じられる方がおられます。(ご本人は言われまなくとも顔をみていればわかります!)

 勿論、初めてで不安があるのはごもっともなので、ホームページなどでなるべく来院頂く前に「オステオパシー」についてご理解いただけるよう工夫してお書きしているのですが、なかなか難しい面もあります。

 改めて申し上げておくと、「オステオパシー」はとても科学的です。解剖学、生理学、生体力学に基づいて身体を拝見、調整していくので、行う施術そのものはとても合理的です。説明がつきます。

 ただ、そうした事を超えてくると、エネルギーとかエモーションとか目に見えない対象物も入ってきます。ただこれらとて、僕はセミナーでは随分科学的に説明を受けました。

 僕が、当初オステオパシーに興味を持ち、ずっとそれを基本に施術しているのは科学的だと思ったからです。

しかし、この仕事を始めて経験を積むにつれ、また親が亡くなったりして色々思うと、世の中すべて「目に見える事」が正しくて科学的に説明つく事が全てかと思うと、そうも思わなくなりました。

最初にお書きしたような、科学的に説明がつきにくいような事がいろいろ身の回りに起こるのも確かだと思うし、それはそれであるんだろうなと思います。

 とにかくも、多くの方がのどかに思いを寄せて下さり、来院頂くのは有難い事です。思いに応えられるよう、これからも頑張ろうと思います。